睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時の呼吸停止や低呼吸になることです。「日中に眠気がある」「いびきがうるさい」「夜中に何度もトイレに行く」「朝起きると体がだるい」など、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)が疑われます。
- 症状
- いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などを認めます。日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。
- 検査
- SASが疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査(下写真を参照)や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)により重症度を診断します。AHIが5以上であり、かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。
携帯型装置による簡易検査
検査費用:3割負担の方の場合2,700円
睡眠ポリグラフ検査(PSG)精密検査
従来は検査のためには入院が必要でしたが、当院ではご自宅でのPSG検査に対応しております。
検査費用:3割負担の方の場合10,440円
*入院で検査を行う場合には別途入院費用が必要です。
- 治療
- AHIが20以上で日中の眠気などを認めるSASでは、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous posi-tive airway pressure:CPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。小児のSASではアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であることが多く、その際はアデノイド・口蓋扁桃摘出術が有効です。
CPAP療法
成人SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、特に、AHI30以上の重症例では心血管系疾患発症の危険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療にて、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。
3割負担の方の検査費用 CPAP治療 月4,500円程度