片耳の高度難聴・左右差の大きい難聴でお困りの方へ
2026年6月1日より、一側性高度難聴および非対称性難聴に対する人工内耳埋込術が保険収載され、一定の条件を満たす方では、人工内耳治療を保険診療として検討できるようになりました。
これまで、片方の耳が正常または比較的よく聞こえている一側性高度難聴や非対称性難聴では、人工内耳治療を希望しても、原則として保険診療の対象とはなっていませんでした。
しかし、保険収載により、自費診療では経済的負担が大きく治療を検討しにくかった方にとっても、人工内耳が現実的な治療選択肢となります。
高額療養費制度の対象となる場合には、所得区分に応じて、月ごとの自己負担額が軽減される可能性があります。
片耳の高度難聴や、左右差の大きい難聴でお困りの方は、人工内耳の適応があるか一度ご相談ください。
一側性高度難聴・非対称性難聴とは
一側性高度難聴 SSD とは、片方の耳の聞こえが高度に低下している状態です。
反対側の耳が比較的よく聞こえているため、周囲からは不自由さが分かりにくいことがあります。
非対称性難聴 AHL とは、両耳に難聴があるものの、左右で聞こえに大きな差がある状態です。
聞こえにくい側から話しかけられると分かりにくい、騒がしい場所で会話が聞き取りにくい、音の方向が分かりにくいなどの症状が問題になります。
人工内耳の適応について
一側性高度難聴・非対称性難聴に対する人工内耳は、すべての片耳難聴の方が対象となるわけではありません。
聴力、言葉の聞き取り、難聴の原因、発症からの期間、補聴器の効果、画像検査の結果、生活上の困りごとなどを総合的に判断します。
日本耳科学会の一側性高度難聴に対する人工内耳適応基準では、後天性に生じた一側の高度または重度感音難聴を対象とし、難聴発症後6か月以上経過していること、他の治療による聴力改善が見込めないこと、言語習得後の症例であることなどが示されています。
聞こえにくい側の聴力の目安
聞こえにくい側の耳について、次のいずれかが目安となります。
- 平均聴力レベルが90dB以上
- または、平均聴力レベルが70dB以上90dB未満で、最高語音明瞭度が30%以下
その他の主な条件
- 後天的に生じた難聴であること
- 言葉を習得した後に生じた難聴であること
- 難聴発症後6か月以上経過していること
- 他の治療による聴力改善が見込めないこと
- 原則として5歳以上であること
- 補聴器を一定期間使用しても、十分な改善が得られないこと
- 騒音下での聞き取りや音の方向感に支障があること
最終的な適応判断は、詳しい検査結果をもとに慎重に行います。
当院で行う評価
当院では、まず耳の診察を行い、難聴の原因や現在の状態を確認します。
その上で、必要に応じて次のような検査・評価を行います。
- 標準純音聴力検査
- 語音聴力検査
- 補聴器の装用効果の確認
- 日常生活での聞こえにくさの確認
- 騒音下での聞き取りや音の方向感に関する確認
- 必要に応じた画像検査の検討
人工内耳の適応が考えられる場合には、連携施設である熊本総合病院において、豊富な執刀経験を有する当院院長が人工内耳埋込術を行います。
当院院長は、2001年に熊本県で初めての人工内耳手術を執刀しており、長年にわたり人工内耳診療に携わってきました。
※熊本日日新聞 2001年3月7日 朝刊掲載
人工内耳相談のながれ
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1.耳の診察・聴力検査
- 耳の中の状態を確認し、聴力検査や言葉の聞き取り検査を行います。
難聴の程度、左右差、語音明瞭度を確認します。
- 耳の中の状態を確認し、聴力検査や言葉の聞き取り検査を行います。
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2.現在の聞こえの困りごとの確認
- 静かな場所での聞き取りだけでなく、騒がしい場所での会話、音の方向感、職場や学校での困りごとなどを詳しくうかがいます。
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3.補聴器などの検討
- 人工内耳の前に、補聴器などで改善が得られるかを確認します。
すでに補聴器をお持ちの方は、受診時にご持参ください。
- 人工内耳の前に、補聴器などで改善が得られるかを確認します。
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4.人工内耳の適応について説明
- 検査結果と生活上の困りごとをもとに、人工内耳の適応が考えられるかを説明します。
人工内耳で期待できること、限界、手術後の調整やリハビリテーションについても説明します。
- 検査結果と生活上の困りごとをもとに、人工内耳の適応が考えられるかを説明します。
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5.連携施設での手術
- 人工内耳の適応があると判断された場合には、連携施設である熊本総合病院で手術を行います。
手術は当院院長が担当します。
- 人工内耳の適応があると判断された場合には、連携施設である熊本総合病院で手術を行います。
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6.術後の聞こえの相談・経過確認
- 人工内耳手術後も、聞こえ方、日常生活での困りごと、反対側の耳の聴力変化などについて、必要に応じて当院でご相談いただけます。
人工内耳で期待できること
人工内耳により、次のような改善が期待されます。
- 聞こえにくい側からの音に気づきやすくなる
- 騒がしい場所での聞き取りが改善する可能性がある
- 音の方向が分かりやすくなる可能性がある
- 会話時の聞き取り努力や疲労感が軽くなる可能性がある
- 耳鳴が軽くなることがある
ただし、人工内耳は正常な聞こえに戻す治療ではありません。
効果には個人差があり、手術後には音の調整とリハビリテーションが必要です。
「片耳だから仕方ない」とあきらめていませんか
片耳の難聴は、周囲からは分かりにくい一方で、日常生活、仕事、学校生活に大きな負担を生じることがあります。
一側性高度難聴や非対称性難聴に対する人工内耳が保険診療として検討できるようになったことで、これまで経済的な理由で治療を検討しにくかった方にも、人工内耳という選択肢を考えやすくなりました。
当院では、聴力検査や語音聴力検査を行い、補聴器、人工内耳を含めた聞こえの改善方法について検討します。
聞こえにくさでお困りの方は、一度ご相談ください。
